世界で最も太っている人の多い先進国、それはアメリカ。OECD(経済協力開発機構)の2007年の調査によると、アメリカの成年のうち「太りすぎ」(BMI=30以上)に属する人は、なんと32%を超えているという。
国民の3分の1が太りすぎっていうのはどうかと思ってしまうが、その原因として考えられるのはカロリー過多の食べ物だ。
ファストフードはもちろん、それ以外にもピザやタコス、ブリトーといった、カロリーてんこもりな食べ物がアメリカでは大人気。
これにメガサイズのコーラをプラスしたりすれば、1食あたりのカロリーは余裕で1000オーバー。こんな食文化に接してたら、そりゃ太るというものだ。(一方でアメリカらしくないエコレストランも登場してきている)
そのメニューとは・・・
■「スリンガー」
ハッシュブラウン(揚げハッシュドポテトのようなもの)にタマネギとチーズバーガーを2個、その上にフライドエッグと目玉焼きを置いて、チリビーンズをかけてトーストをトッピング。こんな風に、大量の炭水化物+大量の肉+乳脂肪系の濃いソース(またはチーズ)というのが、アメリカの「おいしさ」の基本。
■「ワカモーレ揚げ」
ワカモーレとは、アボカドをつぶして作るクリーム状の食べ物。「森のバター」と呼ばれるアボカドはすでに高カロリーなんだけど、それをさらに揚げるって……。
■「スコッチエッグ串」
スコッチエッグは、ゆで玉子に挽肉のころもをつけて揚げたもの。これを串にして、気軽に食べられるようにしたもの。こんなものを映画館なんかでパクパク食べてたら、そりゃあ……。
■「ペパロニピザ揚げ」
ペパロニは太めのソーセージ(サラミに近い)。すでにこの時点で、肉+炭水化物+チーズ。もう十分高カロリーなのに、さらに揚げてしまうのがアメリカ流。カロリーはおいしさの単位とはよく言ったものだ。
■「チーズバーガーのベーコンチリソースがけ」
メキシコ料理がベースのチリソースは、大量のクリームと豆から作られる。これにベーコンを投入して、チーズバーガーにどっさりかけてしまう。これを見て「おいしそう!」って、なるのか?
■「焼きチーズサンドイッチ揚げ」
チーズ(乳脂肪)+炭水化物をさらに揚げる。もうそれが基本なんだって分かってきたはず。もちろんそれだけじゃ物足りないから、濃いディップを添えて。それでも足りないからポテトフライを付けておく。
■「ピザコーン」
1枚のぺろっとしたピザじゃ物足りないよねー。ってことで、アイスクリームの形にしてみたよ。紙の専用トレイがあるところを見ると、別に特別なものでもなんでもなく、普通のメニューなのだということがわかる。
■「秘宝入りミートローフ」
スパム入りミートローフの中心に、塊のチーズ(これがSeacret Treasure=秘宝、らしい)。そして上にもとろけるチーズがたっぷりと。
日本にも「ラーメン二郎」のような異様なメニューは存在するが、それはあくまで例外。ここで挙げられているメニューはどれも、ごく普通に「ほら、おいしそうでしょ?」というアピールをしているだけのように見える。アメリカの食文化、恐るべし。ご存知かもしれないが、アメリカでは市販のドリンクに「お茶」のようなカロリーのないものはほとんどない(カロリーのない飲み物が欲しければミネラルウォーターを買うしかない)。
濃すぎる食事をした後には、またカロリーたっぷりの飲み物を飲むのがアメリカでのお作法なのだ。彼氏彼女がいる人は、アメリカに行く機会があるならかなりの覚悟をもって行ったほうがいい。